熊本地震が遺した教訓(その1)

8,329戸が全壊という甚大な被害をもたらした熊本地震からまもなく3年が経過します。
今回は熊本地震から得られた教訓を皆様にもシェアしたいと思います。

震災関連死が直接死の4倍
避難所生活による肉体的精神的負担が命をも脅かす

→避難所生活によるストレスや環境変化のリスクが浮き彫りとなりました。

阪神・淡路大震災での避難所風景。1995年2月神戸市長田区にて(出典:神戸市 http://kobe117shinsai.jp)

▼震災関連死の特徴

【熊本地震の死者の内訳】
・直接死 55名 (約2割)
・震災関連死 217名 (約8割)
(出典:消防庁 災害情報詳報 「熊本県熊本地方を震源とする地震(第120報)」

注目すべき点は、地震による直接死より、「震災関連死(約8割)」の方がはるかに多い点です。
→震災関連死の8割は70歳以上の高齢者
→震災から3か月以内に8割の方が亡くなられている。

※余震の恐怖や避難所生活によるストレス。医療の遅れで高齢者が亡くなっている。また、関連死に至らずとも何倍もの人々が体調を崩していた。

▼明らかになったリスク

・地震で倒壊・大破すると避難所や車中泊を余儀なくされ、そのストレスによる身体的・精神的負担は命を脅かす
・当初はペットの同行避難を受け入れるも、苦情を受けてペットの受け入れが禁止された避難所があった。

▼自治体の取り組み

・避難所の環境改善として、ダンボールベッドやトイレ環境の改善といった取り組みが広がる

避難所になった熊本市城東小学校の体育館に導入された「段ボールベッド」(福島範和撮影)

・被災後も安全な生活が過ごせる最低基準を定めた国際的な「スフィア基準」への関心が高まった。
参考URL →「トイレの数より大事なこと。スフィア基準の基本、ご存知ですか?」
https://www.risktaisaku.com/articles/-/12466 

・震災後の心のケアについてまとめたパンフレット「くまモンと、前へ」が作成

https://www.pref.kumamoto.jp/common/UploadFileOutput.ashx?c_id=3&id=16193&sub_id=1&flid=72148

巨大地震は全国どこでも起こり得る!
熊本は、「大きな地震は起こらない」と言われてきた場所でしたが、巨大地震は日本全国どこでも起き得ます。ここ数年都心では、大地震が今のところありませんが、南海トラフを含め確実に起こると言われていますので、それに対してどう備えていくのか、やはり考えていかなければいけません。
以上、バーイヤーズエージェント 中田でした。

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