『山手線はこんなに勾配がある!?』

普段、何気なく乗っている山手線・・。
最近は、電車に乗っていてもスマホをいじって外を眺めている方も少ないのですが、窓越しの景色を良く見てみると山手線が意外に変化にとんだ地形を巡っていることがわかります。山手線周辺 デジタル標高地形図

≪山手線外回りから≫

上野駅から浜松町まで高架を走り、浜松町駅付近から品川付近まで、地盤とほぼ同じ高さで走り、品川を過ぎると土手の間を這うように走ることが多くなります。五反田を過ぎたあたりから目黒に向かう時に第一の急な勾配があります。その後、所々を走り、平坦地を走り、川や道路、他の路線や私鉄と上下に中井も交差しながら渋谷、新宿池袋を過ぎて、田端まで来ると堀割は切れます。

ここから先は、右手に土手を見ながら、上のまでまた地盤と同レベルで走っていきます。

このような路線の変化は自然の地形によってもたらされたものです。

山手線はその名が示す通り、「山の手」すなわち台地を主に走っている路線です。

山手線 盛土 切通し

※山手線を田端駅(写真①)から左回りにたどると、台地に分け入り、台地上の巣鴨駅(写真②)を切通しで抜け、神田川の谷(写真③)は盛土で越え、目黒駅(写真④)も台地上にあり、山の手は谷の刻まれた台地であることがよくわかります。

 

皆さんあまり気づかれていないと思いますが、この山手線、平坦なところを走っているようで実は標高差がかなりあります!

高い駅と低い駅との高低差は約36.31m。ビル12階相当分もの差があり、かなりアップダウンしているんです。

 

駅が位置する標高による高低差が特に激しい場所は、大きく2カ所あります。

■1つ目は「目黒」―「五反田」間です。

海沿いから高輪台地と八ツ山、御殿山、島津山、池田山の下の低地を田町→品川→大崎→五反田と走ってくる山手線は、標高約3.4mの五反田駅から、台地上にある標高約22.88mの目黒駅まで、その差約20mをたった一駅で登ります。 (この目黒川沿いの「大崎・五反田」から「目黒」にかけては重い電車(当時はまだ蒸気機関車の時代でしたので急勾配は避けなければなりませんでした。)が山手の台地に登るために鉄道技術者が最初に克服しなければならなかった難所と言われています。)

五反田ー目黒駅間 

2つ目は「駒込」―「田端」間です。
標高約32.34mの池袋駅から緩やかに下る台地の上を走り、ついには「武蔵野台地」の東の端に乗る駒込駅まで到達すると「駒込→田端間」で再び下ることになります。
標高約20.4 mの駒込駅から標高約6.2mの田端駅まで、標高差約14.2mをやはり一駅で下ります。

駒込ー田端駅間

 

また、下記「断面図」を見れば、山手線の標高差もわかりやすいです。

●新宿~東京にかけて。

断面図 新宿ー東京

一般社団法人東京都地質調査業協会 平成5年3月 技術ノートより

※新宿から新大久保あたりの軌道が最も標高の高いところを走っています。その台地は田端で果て、東側は主に京浜東北線と供に低地を進みます。目白や、巣鴨のあたりは地盤面より軌道が低いですが、線路を敷くため台地を開削したのかと思われます。

 

 

●東京から代々木にかけての断面図。

五反田から台地が始まります。

断面図 東京ー代々木

一般社団法人東京都地質調査業協会 平成5年3月 技術ノートより

皆さんも、もし今後山手線に乗る機会がありましたら、意識して乗ってみてください。結構な勾配を走っているのが体で感じ取れます。「五反田-目黒間の高低差」、「駒込-田端間の高低差」、「田端-西日暮里間の急勾配」などを体感してみると面白いかもしれません。

以上、バイヤーズエージェント 中田でした。

≪参照URL≫

1:25,000デジタル標高地形図「東京都区部」

http://www.gsi.go.jp/common/000061812.jpg

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