クレーン、ショベルカーなしで家は建てられるか!?本部エージェントの現場レポート≪中古戸建て編≫⑧
今回は東京都某所、築20年超、都心の中古戸建を見てきました。
今回も、エージェントが気になった箇所の写真とコメントをまとめてみました。
中古中物件の築年数と減税関係の部分については、この「戸建てリノベINFO」をご覧の皆様にはもうお馴染みですので、ご説明は省略させて頂きました。
初めてご覧になられる方は、【超重要ポイント まとめ】中古住宅と住宅ローン控除と“かし保険付保証明書”をご覧ください。
今回の物件は、築後経過年数の割には、劣化状態が進行していました。
建物がやや傾いており、それに伴い、外壁にひび割れが多数みられます。
傾きはジャッキアップして水平にし、外壁のひび割れは補修して塗り直すなどすれば、直すこともできます。
その他、前面道路は建築基準法上の道路ではあるものの、階段なので車を使うことができません。
いろいろと不安要素はあるわけですが、今回の物件に関して言えば、それらを許容しても良いほどに立地が良い物件でした。
しかし、この物件の建物、交通利便性だけの話しで言えばこのような感想なのですが、物件を見る時には、周囲の状況等含め、もう少し想像力を働かせる必要があります。
≪注目した箇所一覧≫
※建物の劣化事象は沢山あったので省略。
1 古い擁壁
今回の物件は高台に所在しており、隣地の建物よりも高い位置にある為、2階の眺望はとても良いものでした。でも高台にある場合につきものなのが擁壁です。まず全体像は下記の配置図をご覧ください。
擁壁の様子はこのような感じ。
建物が密集している地域なので全体を映すことができませんでしたが、写真中央に縦に走っている石積みの部分が擁壁です。
高さにして約2mくらいでした。
距離があってよく見えませんでしたが、擁壁が少し膨らんでいるようにも見えます(正確には分かりませんでした)。
もしかすると、建物の傾きの一因になっている可能性もありますね。
それと、古い擁壁の場合は、将来建替える時に問題が生じることがあります。
自治体によっても判断が異なるようですが、検査済証を得ていない擁壁がある敷地で新築する場合には、擁壁も築造し直さなければいけなかったり、擁壁に負担がかからないよう、杭基礎等の仕様にしなければいけないこともあります。
簡単に言えば、余分なお金がかかるということですね。
中古戸建てを検討する場合には、常に「将来建替える時に問題になりそうなことはないか?」を気にしなければなりません。
中古戸建をリフォームして、ご自身で一生住むつもりだとしても、人生何が起きるか分かりません。
転勤、病気・事故による収入減、ご両親の看病、離婚など、やむを得ず住み替えなければいけないこともありえるのです。
その時に、次の買い手が建替えを前提として検討するかもしれません。
そこで余計な建築コストがかかるとすれば、当然売買価格の値下げ要求につながり、資産価値が下がる結果につながります。
2 建機の侵入経路が無い
もう一度、先程の配置図をご覧下さい。前面道路の様子はこのような感じです。写真左側に見える白い柵が、今回の物件の敷地です。
「駅にも近いし、自分は車を使わないから問題ない」と判断するのはもちろんありですが、交通利便以外に支障がでることがあります。
例えば、リフォームをする時に、解体部分の搬出、資材の搬入等が必要です。
この物件で言えば、外壁を塗り直す必要がありますから、足場を組むことになるでしょう。
小さくても良いのでトラックが敷地までは入れれば問題ありませんが、近くまで来られない場合には、人が手運びするしかありません。
できないことではないのですが、時間が余計にかかる為、当然コスト増になります。
リフォームの場合はまだしも、建替えをしようと思った場合はどうなるでしょうか?
トラック以外にもクレーンやショベルカーも使いたいところです。
これらも全て人力に頼るとすれば、コスト増になりますね。
ちなみに想像ですが、今回の物件は新築時には、配置図左側の隣地含め周辺の家をまとめて建築した為、新築時点では隣地の敷地を通過して建機が今回の物件の敷地まで侵入することができたものと思われます。
その後、隣地に建物ができ、現在は侵入経路がないという状況です。
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以上、リニュアル仲介本部 パイロット店 エージェント 石川でした!