「ロジック+捨て物件見学」で、家探しを効率的に進める方法。戸建て希望の方は必須の知識です!

まだ家探しを始めたばかり。不動産ポータルサイトで目についた物件を、勇気を出して見に行ったものの、結局良い物件なのかがよくわからない...

それもそのはずです。普通の方は、自分自身でも希望条件の優先順位がおぼろげで、どのように物件の良し悪しを判断していけばよいのか、よくわからないからです。もちろん、理想の住まい像は持っています。でも、理想を100%合致する物件は、ビックリするほど高かったりして、結局迷宮に迷い込んでしまいます。

 

そんな方には、「ロジック+捨て物件見学」をお薦め致します。遠回りのようで、実は近道です。まず、どのような方でも「エリア、予算上限、駅徒歩○分、広さ」の条件は何となくイメージがあると思います。この諸条件の優先順位を効率よく自分で認識していくために、後述する、一定のルールに基づいて物件をピックアップして見に行きます。

 

この方法には「三つのコツ」があります。

一つ目のコツは、行政で定めている「用途地域」に、上記希望条件を関連付けて物件を見に行くということです。以前に、『夢のマイホームは、本当に夢の中にしかない可能性があります...(https://smile.re-agent.info/blog/?p=2213)』で説明したように、用途地域によって、街並みや建築できる建物の様子が随分と変わります。希望条件の一つである、駅から徒歩○分という条件の範囲内に、どのような用途地域が存在しているのかを、きちんと認識する必要があります。

そして二つ目のコツは、“全て新築”だけで“予算上限の価格の物件”をピックアップするということです。売りに出ている戸建てには新築も中古もありますが、中古の物件は、建物の劣化があったり、売主さんが住んでいて荷物や家具が残っていたりと、「用途地域と希望条件」以外の要素が色々と混じってしまい、これから希望条件の優先順位を決めようとしている段階では、複雑になり過ぎてしまうからです。

最後に三つめのコツは、物件をピックアップする過程では、真剣に購入する物件を探してしまうのではなく、ルールに合致した条件かどうかで選別していくということです。

 

以上のことを踏まえて、具体的な手順を説明していきます。

まず、添付画像は東京都杉並区と中野区の用途地域図です。赤い点線は、JRの駅から徒歩

15分圏内(1,200m)を示しています。戸建ての場合には、多くの方が「ゆったりとしていて、陽当りがよく、3階建てよりも2階建て」というのをイメージなさいますが、そのような街並みが最も形成されやすいのが「第一種低層住居専用地域(以下、一種低層)(※杉並区と中野区で色が違うので注意)」です。この地域では、建ぺい率50%・容積率100%と定められていることが多く、敷地に対して大きな建物を建てられないので、結果的に上記イメージのような街並みが形成されていきます。でも、建ぺい率50%・容積率100%と言われても、全くピンときませんよね?だから、実物を見に行って、“一種低層の地域の陽当りはこんな感じかぁ”とか、“お隣さんとの距離感はこんな感じかぁ”というのを、体感して覚えていくのです。人によって許容範囲が違いますので、第一種中高層住居専用地域、近隣商業地域など、あえて違う用途地域の中にある、物件をピックアップして見に行き、体感して、今後除外すべきかどうかを判断していきます。この時に、前述のルールにのっとり、新築物件で予算上限額の物件で統一しておけば、“あぁ、○○駅の周辺は徒歩○分以内に一種低層が存在しないから今後は除外していいか”というように、すっぱりと切り捨てることができます。これに加えて、北側道路、南側道路など物件を入れていけば、“一種低層の北側道路は、南側に庭とLDKが来る意外と有りだなぁ”とか、“でも一種中高層だと隣の建物が大きくなるから南側に庭が来ても結局陽が当たらないから無だなぁ”というように、チラシやインターネットに出ている情報を見るだけでイメージが付くようになってきます。

ちなみに、杉並区には「風致地区」という地域があり、建ぺい率40%という、一種低層よりもさらに厳しい制限が加えられているところもありますので、“建ぺい率50%でも、まだ窮屈だ!”という方は、この風致地区内で探さざるを得ないでしょう。風致地区且つ徒歩15分以内の駅となると、京王井の頭線の「浜田山、西永福、永福町」や、丸の内線「新高円寺」しかありませんので、JR徒歩15分以内というのが絶対条件であれば、一種低層の地域で我慢するしかないことになります。

 

以上、リニュアル仲介本部パイロット店 エージェント石川でした。

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