不動産屋さんの言うことを鵜呑みにしてはいけない!?住宅ローン減税失敗事例
耐震基準適合証明書をご存知でしょうか。築年数が古い住宅でも住宅ローン減税を適用させるために必要な書類です。
(最近では贈与税の手続きでも利用されるようになりました)
中古リノベーションを取り扱う弊社には、年明けから3月まで住宅ローン減税の問い合わせがたくさん入ります。
今日はその中から実際にあった失敗例をご紹介したいと思います。
<ケース1>築25年を越えるマンションだから住宅ローン減税の対象外と言われた
確かに築25年を越えるマンションは住宅ローン減税の築後年数要件を満たしません。しかし、この築後年数要件を緩和する方法があります。マンションの場合は次の2つです。
1:引き渡しまでに耐震基準適合証明書を取得する
2:引き渡しまでに既存住宅売買かし保険の手続きを行い付保証明書を取得する
このお問い合わせのケースの場合は、すでに引き渡し済みだったので、住宅ローン減税を諦めなければならなくなってしまったのですが、築25年を越えるマンションでも新耐震(昭和56年6月以降の建物)であれば住宅ローン減税の対象となる方法があるので要注意です
<ケース2>売主が協力してくれないから無理と言われた
このケースは木造戸建てでした。木造戸建の場合、耐震診断を実施するのですが、多くの場合で耐震改修工事が必要となります。
流石に所有権移転前に耐震改修工事を実施するのは現実的ではないので、表題のような説明を受けたわけですが、この説明は正しくありません。
平成26年4月から、引渡し後に耐震改修工事を実施して耐震基準適合証明書を取得した場合は築後年数要件が緩和され、住宅ローン減税を適用することができるようになりました。
つまり、売主の意向はまったく関係なく、買主が希望すれば(耐震改修工事が必要ですが)住宅ローン減税を適用させることができるのです。
しかし、お問い合わせのケースでも住宅ローン減税を諦めなければならなくなってしまいました。理由は<ケース3>へ。
<ケース3>新住所登記をしたから住宅ローン減税が使えなくなった!?
現在の住所で所有権移転登記を行い、引っ越した後に住民票を移転して、住所変更登記を行うのが住宅取得時の手続きの流れです。しかし、所有権移転登記前に住民票を新住所へ移しておけば、住所変更登記を行わなくて済むことから、不動産業界の慣習で、所有権移転にあたって住民票を新住所へ移しておく「新住所登記」が一般的に行われます。
戸建ての場合で引渡し後に耐震基準適合証明書を取得する方法を行うには、この「新住所登記」を行ってはいけません。
引渡し後に耐震基準適合証明書を取得する要件を詳しく書くと、「所有権移転後、居住開始までに耐震改修工事を行い、耐震基準適合証明書を取得する」ということになります。
つまり、耐震基準適合証明書を取得するまで住民票を新住所へ移してはいけないのです。(引渡し後の場合は耐震改修工事も必須になります)
いかがでしょうか。これらのケースは、不動産事業者が十分な情報を提供していない、または誤った手続きを踏んでいることに起因するトラブルです。しかし、残念なことに住宅ローン減税は不動産売買契約とは直接の関係がないことから、住宅ローン減税が使えないからといって不動産事業者に文句を言ってもはぐらかされるだけです。
ではどうすればよいのか。
答えは簡単です。
買いたい物件が決まったら、契約する前に、住宅ローン減税を使いたいとはっきりと意思表示をして、
利用するための方法を不動産事業者に教えてもらうことです。(できれば説明内容に関する履歴を残した方が安全です)
制度に詳しい事業者からは適確な回答が得られます。中には税務署か税理士へ相談するように促す業者もいることでしょう。明確な回答が得られない場合はその業者での取引をやめた方が良いかもしれません。
住宅ローン減税のための手続きは、不動産売買契約が終わってから引き渡しまでの短い期間に終えなければならないため、取引にかかわる仲介会社が無知だと手続きを誤ってしまうからです。
ちなみにリニュアル仲介では住宅ローン減税だけでなく、利用できる補助制度はすべてご提案いたします。特に木造戸建の場合、耐震改修工事が必要になるので、資金計画が重要となるのですが、改修工事やその他リフォーム工事費用も含めた総合的な資金計画をご提案いたしますので、住宅ローン減税が使いたいけど改修費用が足りなくて諦める、という事態にも陥りません。
築20年以上の戸建て、築25年以上のマンションをご検討の方はリニュアル仲介までご相談ください。
リニュアル仲介稲瀬でした。