中古マンション価格は、株価、金利、需給バランスの動きをチェックする?!

■新型コロナウイルスでマンション価格の高騰原因?!

新型コロナウイルスの感染拡大は、わが国の経済にも大きな影響を及ぼしています。こうした影響が今後どのように広がっていくのかといった予想が株価に織り込まれ、日経平均株価は3月に大きく下落しました。株価下落は経済停滞を想起させますが、株価下落がマンション価格に影響をもたらすことはあるのでしょうか。

また、昨年の夏以降、主要都市の中古マンション市場では、契約件数は増加傾向にもかかわらず、在庫が減っているとの声があります。その影響もあってか、中古マンション価格は新型コロナウイルス禍でも値下がりする気配がありません。

これまでは、株価上昇と金利低下で中古マンション価格が上昇してきましたが、昨年以降、状況は変わっている様子です。主要都市を中心に不動産の「物不足」状態が広がり、流通活性化の阻害要因にもなっています。

■主要都市を中心に不動産の「物不足」状態が続ており・・・

主要都市の中古マンションの需給バランスは、毎月の在庫倍率(成約件数1件あたり在庫件数)で代替することができると考えます。この在庫倍率の前年同月比増減と成約平均単価(1平方メートルあたり)の関係をみてみると、昨年4~5月の緊急事態宣言の下で契約件数が急減したことから在庫倍率が急増し、平均成約単価が下落しました。しかし、夏以降はその反動で契約件数が増加する一方、コロナ禍で売却を様子見する層が増えたことから在庫倍率が前年対比で急減し、価格が上昇しているようです。

■中古マンション価格は、株価、金利、需給バランスの動きを要チェック!

中古マンション価格は、株価、金利、需給バランスの動きである程度説明できます。株価が堅調なときは景況感もよく将来の収入に対してもポジティブな発想になりやすいでしょうから、中古マンション購入意欲も増します。住宅ローンの多くは元利均等返済ですから、金利が下がれば調達できる額も増え、結果的に中古マンション価格の上昇に寄与します。需給バランスは、需要が供給を上回るなら上昇、逆ならば下落と考えられますので、在庫倍率が低くなれば価格は上昇するという結果になります。つまり、現在、主要都市を中心に不動産の「物不足」状態が続いていますので、価格上昇の状態が続いています。

また、株価は短期間で大きく変動するものですが、マンション価格は日々変化する株価と同じように変動することはありません。マンション価格は「周辺相場」に強く影響しますので、変動は緩やかになります。また、日々の株価そのものに私たちが反応してマンション価格が日々決まるというのではなく、一定の期間の中で私たちが認識する株価水準、例えば、今日までの過去1年程度の平均株価が住まいの価格に影響していると考えたほうが自然です。

ぜひ、今後の住宅購入の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

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