マンション購入時にプロが見る注意すべきポイント(中古編)

前回は新築マンションを検討される方の注意すべきポイントについて、解説をさせていただきました。その為、今回は中古マンションを検討される方の注意すべきポイントについて解説をしたいと思います。

ちなみに、前回のおさらいとして、新築マンションの注意すべきポイントは4つ、中古マンションの注意すべきポイントは9つございます。

■新築マンションを検討される方の注意すべきポイント

1位:駅との距離、2位:環境や雰囲気、3位:資金計画、4位:地域の将来性

※詳細は前回の記事をご参照ください。

■中古マンションを検討される方の注意すべきポイント

1位:修繕歴/積立金、2位:駅との距離、3位:環境や雰囲気、4位:資金計画、

5位:建築時期、6位:地域の将来性、開発計画、7位:共用部はキレイか?、

8位:間取りの使いやすさ、9位:災害リスク

その内容について、私見も含めて解説をしたいと思います。

■中古マンションを検討される方の注意すべきポイント(解説)

1位:修繕歴・積立金

入居後に払う管理費や修繕積立金。新築時は安く抑えられ、中古住宅取得時には積立金が上がっているケースも珍しくありません。金額を確認しない人は居ませんが、マンション管理組合の会計収支は見逃しやすいものです。

ちなみにリニュアル仲介では、管理費や修繕積立金が適正であるかどうかを判定できる、

SelFin(セルフィン)という無料で利用できるWEBツールを提供していますので、ご興味のある方はお調べいただく事をご検討ください。

https://self-in.net/slp/index.php?id=rchukai2 (SelFinについて)

また、築20年以上なのに、毎月の積立金が安いマンションの場合は修繕のために一時金を徴収する必要のあるマンションも存在します。もしくは借り入れをする必要が出てきたり、資金が不足する可能性もあります。

2位:駅との距離

在宅勤務の普及で駅から遠い住宅への関心も高まっています。また、新型コロナウイルスの感染拡大や生活様式の変化で、近距離移住の候補地として神奈川県への注目が集まっているようです。特に相模湾沿いの自治体の人気が高いようです。しかし、移住を決断したが、コロナ前の通勤スタイルに戻り、結果なじめず、転職を余儀なくされたというのでは問題です。その為、移住をされる決断をされた際には、最悪、貸せたり・売れるような資産価値の高い立地をご検討いただく事をお勧め致します。中古マンションを購入するときは駅からの距離に最もこだわり、資産価値が下がりにくい物件がお勧めです。

3位:環境や雰囲気

中古マンションを購入する際には、周辺の街の状況は大切です。また、周辺に空き地があるようなケースでは今後、大規模建物が建設される予定などは事前に把握したいものです。また、マンションからの公園や病院、お店へのアクセスの利便性は必ずチェックしたいポイントです。お子様の学校の事も事前に把握される方が多いかと思います。また、中古マンション購入時にはどのような世代の方が多く住むマンションかを確認しておくこと事をお勧めします。近隣世帯との関係は最もトラブルになりやすく、区分マンションを購入する際には上階、下階にどのような方が住んでいるかは可能な範囲で調べておきたいポイントです。

4位:資金計画

新築マンションの際にも記載をさせていただきましたが、中古マンションも高値となっている状況の為、今後、値下がりするリスクも考慮する必要があります。また、中古マンションの売りに出される際に修繕積立金の値上げ理由に売却を判断される方も多い為、値上げが起こるケースも考慮する必要があります。「ご利用は計画的に」と某CMでは言われたフレーズのように、無理のない住宅ローンの返済計画は非常に重要です。多少の自由に使える預貯金は持ち合わせたいものです。

5位:建築時期

1981年(昭和56年)6月に耐震基準が新しくなる前に建築確認を終えた物件は「旧耐震基準」とされ、その後に耐震補強などに取り組んだマンションかは確認が欠かせない。建築確認は工事前なので、建築年が1981年(昭和56年)6月以降だから安心とは限りません。建築確認日が不明な場合は建築年が1983年(昭和58年)4月以降かが一つの目安となります。また、この築年数用件と関連してくるお話として住宅ローン減税のお話があります。

築25年を経過するマンションを購入する際には、基本的には住宅ローン減税が使えませんが、使えるようにする方法がございますので、詳細はリニュアル仲介の「中古住宅でも住宅ローン減税を諦めないで!」をご覧ください。

https://www.rchukai.jp/contents/contents_f_tekigou_index.htm (中古住宅でも住宅ローン減税を諦めないで!)

6位:地域の将来性・開発計画

周辺の雰囲気だけでなく、データで地域の現状や将来性を探ってみることも検討していただきたいと思います。また、マンション購入時に「事故物件」かどうかのチェックをされる方も多い為、その際には「大島てる」というサイトも参考になります。

https://www.oshimaland.co.jp/ (大島てる)

※国土交通省は、前の入居者が自宅内で死亡した物件について、老衰や病死など自然死の場合に「事故物件」扱いとせず、次の借り手や買い手に告知する必要はないとする指針案を公表しました。

7位 共用部はきれいか?

自分たちが暮らす予定の区分マンションの専有部ばかりに気を取られていると、後悔する事もございます。ちなみに、「マンションは管理を買う」という不動産言葉もあり、中古マンションを購入する際にはエントランスやゴミ捨て場、駐輪場などのマンション共用部の掃除が行き届いているかのチェックは欠かせません。清掃状況等はマンションの資産価値に影響することもあり、住民が主体的に清潔な状態の維持に関わっていることが理想です。

8位:間取りの使いやすさ

中古マンションを購入する際に、奇抜なリノベーションを行いすぎてしまい、次の買い手が付かないケースもあります。また、間取りを大きくする為、2LDKを1LDKにしてしまった為、売却できなかったというケースもありました。その為、将来的に売却を考えてマンション購入をされる事が理想的です。多くの方に受け入れられやすい間取りとなっているかは評価の分かれるポイントです。

9位:災害リスク

相次ぐ地震や台風、集中豪雨などの水災と近年、大規模災害が目立つなか、マンション選びの見逃せない要素として浮上しているのが災害リスクです。海や川などが近くにあるか、地盤はどうかなどについては、ハザードマップのチェックと、過去にどのような被災歴があったかの確認が必要です。2019年10月の台風19号で、川崎市中原区の47階建てタワーマンション「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」は浸水による全棟停電に見舞われました。電気も水道もエレベーターも長期間使えず、「まるで陸の孤島だった」と振り返る居住者も多かったようです。その為、マンションだから安心という事はありませんので、可能な範囲で事前に災害リスクをチェックしていただければ幸いです。

今後の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

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