空き家運用の実態を探る

全国の空き家率の増加が問題となっていますが、国や自治体、様々な企業がその解決方法を模索しています。

空き家問題の根底にある課題のひとつは、空き家の資産性です。

空き家が発生する最大の要因は相続と言われています。
相続した不動産が、売ることもできず、貸すこともできず、また相続手続きをするにしても費用倒れになってしまう、といった要因が重なると、仕方なく放置されてしまう、ということになります。

もしその不動産に資産価値があれば、つまり簡単に現金化できる価値があれば、放置されるといったことはないでしょう。

現金化できない理由は、需要がないことが一番です。
買い手がいない、借り手もいない、という状況です。

ただ、こうした状況に、なんとかして需要を掘り起こそうとアイデアを絞っている企業もあります。
再建築できないエリアだとしても既存物件をリフォームして建物の資産価値を維持する方法、立地特性を活かして駐輪場としての需要を掘り起こす方法、クリエイターやアーティストなどの宣伝活動の場として提供する、など住宅用地としての利用に縛られずその活用方法を提案してくれる企業もあるようです。

空き家に関する意識調査によると、その運用にかかると予想費用としては「1000万円以上」と回答した方が多かった一方、実際に運用している方のかかった費用としては「200万円未満だった」との回答が最多だったようです。

イメージとして「空き家の運用には費用がかかってしまう」という意識が先行してしまっているようです。

併せて、実際に運用している方の6割以上が「運用方法に満足している」と回答しているそうです。

資産価値の維持できる不動産を持つことが大前提ですが、仮に資産価値に問題のある不動産を所有してしまったとしても、イメージだけで諦めてしまうのはやめましょう。

いわゆる「多様化の時代」と呼ばれる昨今では、思いがけない需要があることもあります。
また、そうした需要を抱える方ともインターネットにより容易につながることができることもあります。

抱えた不動産を単に「負動産」として後世に先送りするだけでなく、できる限りの方法で活用・処分の道を検討されてはいかがでしょうか。

弊社でも、不動産の出口に関する情報収集と提供を進めていくことで、皆様に、より適切なアドバイスを提供できればと思います。

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