
マンション売却は税率を意識して負担を抑える優遇制度も利用したい!
都市部で住宅価格が高騰するなか、マンションの売却を考える人が増えています。
子育てなどライフステージの変化やリモートワークの普及を受けて、住まいを買い替えたい現役世代も少なくありません。
しかし、売却で利益が出た場合、所有期間に応じて税率が異なる点には注意が必要です。
売却手続きの流れをおさえていただきたいため、本日はマンション売却について、解説をしたいと思います。
■都内のマンション価格が上昇中!
マンションの売却査定に出したら購入時から5割近く上がっていたという都内在中の方は多いと思います。
「次は郊外の戸建ても選択肢かな」と、今後の子育てを見据え、より広い部屋に買い替えたいという方は増えています。
そこで、売却検討を後押しするのが中古相場の上昇です。
不動産調査会社の東京カンテイによると、2025年の東京23区の中古マンション平均価格(70平方メートル換算)は前年比35%増の1億393万円。
データを確認できる1997年以降で初めて1億円を突破しました。
相場をけん引するのが築年数の浅い物件となります。
築浅マンションの『値上がり益』をもとに、ライフステージに即した新居を求める現役世代も増えているようです。
こうした価格上昇の背景には、建築資材や人件費の高騰による新築供給の絞り込みに加え、都心回帰の流れがあります。
テレワーク普及期には郊外への移住需要が高まったが、出社回帰の動きが広がる中で再び都市部への需要が集中しています。
国際的な投資マネーの流入も都心部の地価を押し上げる要因とされており、当面この傾向が続くとの見方も根強くあります。
■都心のマンション価格は上昇しているが、譲渡益の税率の仕組みと「5年の壁」
相場の上昇局面では売却時の税金に注意が必要です。
大まかに売却収入から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡益が課税対象となります。
取得費は購入代金といった住宅取得の費用、譲渡費用には不動産会社に支払う仲介手数料などを含む。
税率は売却した年の1月1日を基準に、所有期間5年以内なら39.63%、5年超は20.315%となります。
所有期間が5年以内の短期売却は税率が大幅に上がる為、注意が必要です。
高値で売れるうちに早く売却したいと考える人もいると思いますが、税率が下がる5年超のタイミングで検討するのも一案です。
なお、この「5年」は購入日から売却日までの暦上の期間ではなく、売却した年の1月1日時点での所有年数で判定される点に注意が必要です。
例えば2021年3月に購入した物件を2026年2月に売却した場合、実際の保有期間は約5年に達していても、2026年1月1日時点では所有期間が4年となり、短期譲渡所得として高い税率が適用されます。
売却時期の設定は、こうした制度の細部まで確認したうえで慎重に行っていただきたいと思います。
■優遇制度を活用して税負担を軽減する方法もあります!
実際の税額は優遇制度の活用で大きく変わります。
例えば譲渡益が3000万円以内なら特別控除により税負担はありません。
さらに所有期間が10年超といった条件を満たせば、特別控除後の譲渡所得で6000万円まで14.21%の軽減税率が適用されます。
所有期間10年超の自宅を売って、より高額な家に買い替える際、新居の売却まで税金を繰り延べられる「買い替え特例」もあります。
適用期限は2025年末でしたが、2026年度税制改正大綱で2年間の延長が決まりました。
特別控除・軽減税率と併用できず、譲渡益が特別控除額を超える場合などに選択肢となります。
相場高騰で買い替え特例を選べる例は少なくありませんが、将来の税負担が増す可能性があるため、どの税制優遇を使うかは慎重に判断すべきです。
また、売却した年に住宅ローン控除を受けている場合、3000万円特別控除との併用には一定の制限がある為、注意が必要です。
住宅ローン控除は新居購入後に適用を受けるケースが多い為、売却益への特別控除と組み合わせる場合は適用要件を事前に税理士に確認することをおススメします。
優遇制度はそれぞれ適用条件が異なり、組み合わせによっては思わぬ税負担が生じることもあります。
■売却手続きの流れ(査定から契約まで)について
自宅売却では手続き全体の流れをおさえるのも欠かせません。
第一歩は相場を調べることです。
自宅マンションや近隣物件の成約価格を把握しましょう。
不動産流通機構が運営する「レインズマーケットインフォメーション」で間取り・面積、築年数、最寄り駅までの距離といった条件を入力すると成約事例がわかるシステムもございます。
個別の取引内容は非開示だが、周辺相場を確認できます。
マンションの場合は、「AIマンション査定」というWEBシステムもありますので、この機会にご確認ください。
AIマンション査定←詳しくはこちら
売却を進めるなら、不動産仲介業者に査定依頼をし、その後、業者と結ぶ媒介には3種類あります。
「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類の違いも理解しておきたい。
専任・専属専任は1社のみに依頼する形で、業者側の販売活動に対するモチベーションが高まりやすい反面、複数業者を競わせることができない。
一般媒介は複数社に依頼できるが、各社の活動量が分散しやすいとも言われます。
物件の特性や売却を急ぐか否かに応じて、契約形態を使い分けることが重要です。
仲介業者は買い手を募集し、内覧の調整もする。
購入希望者から値下げを求められるケースも少なくない。
業者を通じて価格などを交渉し、納得できれば最終的に売買契約を結ぶ。
売値を決める際は、手元に残る金額を確認したい。
仲介手数料の上限は基本的に「取引価格×3%+6万円」に消費税を加算した額となります。
今後の参考にお役立てください。
法人営業部 犬木 裕


