
2026年の不動産売買の繁忙期がスタート?!市場と資産価値の新たな基準について
2025年の不動産市場は、地域間格差が鮮明になった1年でした。東京23区の一強体制が強まる一方、郊外の多くは価格調整局面に入っています。
しかし、都心の価格高騰を受け、「乗り換えなしでアクセス可能」「駅近」「通勤1時間以内」といった条件を満たす特定の郊外エリア(三郷、海浜幕張、南船橋、千葉ニュータウンなど)には局所的な需要が集中し、価格上昇が見られます。
また、都心部を中心に家賃の急騰も顕著でした。2024年の固定資産税評価替えにより租税負担が増大し、借地借家法に基づく家賃値上げ交渉が活発化しています。
定期借家契約(再契約可能型)を採用する物件も増え、賃貸市場は完全な売り手市場となっています。
■ 2026年の住宅ローン金利の動きについて
2024年のマイナス金利解除後、住宅ローン金利は上昇傾向ですが、2025年時点での市場への影響は限定的でした。
「金利がさらに上がる前に購入しよう」という心理が働いているためです。
金融機関では、デフレ期に主流だったネット銀行から、優遇幅を拡大した都市銀行への回帰が見られました。
2026年も利上げは続くと予想されますが、政権による抑制策や金融機関の競争激化により、市場への負の影響は限定的と考えられます。
特筆すべきは若年層の持ち家志向の高まりです。
インフレと家賃上昇を背景に、住宅を「終の住処」ではなく「金融資産」として捉え、完済まで50年の超長期ローンを活用して戦略的に資産形成する層が増えているようです。
不動産を「資産」として捉える人は少なかったのですが、情報が増えたことやAIを活用すれば手軽に勉強ができる事も起因しているものと考えます。
■ 2026年は中古不動産の取引が加速する?!
2026年は、新築の供給減少と価格高騰を受け、中古住宅へのシフトがさらに加速すると予測されます。
2026年度の税制改正では、住宅ローン控除における中古住宅の借入限度額拡大や床面積要件の緩和が見込まれており、購入者・売却者双方に追い風となります。
建物状態を事前把握する「ホームインスペクション(建物状況調査)」の需要も急増し、日本で1番インスペクションをされている「さくら事務所」社においては、2024年の依頼件数は前年比160%に達したようです。
2024年4月の法改正により、不動産会社がインスペクションのあっせんを行わない場合の理由明記が義務化されたことも、この普及を後押ししています。
■ 2026年のマンション管理と資産価値の連動性について
2026年以降、マンションの「管理状態」が資産価値を大きく左右します。
物価高により管理費や修繕積立金は増額傾向ですが、消費者意識は「安ければいい」から「適正な管理が資産価値を守る」へと変化しています。
修繕履歴、積立金の状況、共用部の維持管理状態が、売却価格や成約スピードに直結する時代が到来します。一方、管理不全のマンションは資産価値が著しく低下するリスクがあります。
■ 2026年の不動産市場の多層化とエリア別の明暗について
2026年は「三極化」からさらに細分化された「多層化」が進むと予想されています。
「飛躍エリア」は都心5区・6区は盤石。中野、京成立石、金町、浦和、相模大野など2030年頃の再開発予定エリアは将来的な資産価値上昇が期待できます。
つまり将来性のあるエリアは不動産価格の上昇に期待できます。
続いて、「進展するエリア」は都心近郊の駅近エリアに加え、武蔵野市、三鷹市、横浜市などで駅から距離があってもバス便が充実した物件は高需要を維持します。
つまり、セカンドベスト・サードベストのエリアです。
セカンドベストは、先述のとおり、都心部を除く23区内の駅徒歩10分前後のエリアや、交通利便性が高く大規模商業施設があるような都心近郊の駅近エリアを指します。
人口減少や共働き世帯の増加といった背景から、バブル期のように都心から遠く離れたエリアまで需要の波が届くようなことはなく、あとはどこまで交通利便性に妥協できるかという観点になってくると思います。
最後に、「マイナスエリア」です。2026年度税制改正では「災害レッドゾーン」の新築住宅をローン控除対象外とする案が出ています。立地の安全性が資産価値に直結し、管理不全マンションや郊外の空き家は負債化する可能性が高まります。
自然災害の多発化・激甚化、火災保険の水災料率の細分化など近年の動向からも、災害リスクが高いエリアの資産価値は今後下がっていくおそれがあります。
現状、災害リスクは金融機関の担保評価に加味されていないといわれていますが、住宅ローン控除が受けられないとなると金融機関が姿勢を変える可能性も否定できません。
■ 2026年の不動産繁忙期はどうなるか?
2026年の不動産市場は、金利上昇や各種規制の議論はあるものの、特定エリアにおける実需の旺盛さから暴落は考えにくい状況です。
市場はライフステージに応じた柔軟な住み替えが可能な「多様性のある市場」へと変貌しつつあります。
購入者には、立地だけでなく、管理状態、災害リスク、将来の流動性を総合的に見極める目が求められます。
中古住宅優遇策や超長期ローンなど新制度を賢く活用し、資産価値を持続できる物件選びが2026年を勝ち抜く鍵となります。
今後の参考にお役立てください。
法人営業部 犬木 裕


