
団体信用生命保険(団信)とは
住宅購入の際にはローンを組むのが一般的ですが、住宅ローンは数千万円という単位のお金の借入であるため、返済中に万が一のことがあったらと不安になる方もいることでしょう。
そんなときに強い味方となるのが、団体信用生命保険(以下、団信)です。
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローン契約者が死亡または所定の高度障害状態となった際、生命保険会社がローン契約者に代わってローン残高相当分の保険金を金融機関に支払う保険です。
金融機関を保険契約者および保険金受取人、住宅ローン契約者を被保険者とする契約形態となります。
団信の種類と保障内容 メリットデメリットを調べてみました。
■通常の団信:死亡時・高度障害保障
住宅ローンの返済が残っている間に、契約者が死亡もしくは高度障害の状態となり、返済困難な状態に陥った際に保険金が支払われます。
高度障害とは次のような状態を指します。
・両眼の視力を全く永久に失ったもの
・言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
・中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
・両上肢とも手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・両下肢とも足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
・1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの
・1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
メリット
追加の保険料が不要であること。
この基本保障は金融機関が保険料を負担することが多いため、住宅ローン契約者に追加の費用はかかりません。
デメリット
高度障害状態には認定されないものの仕事をする能力を失うような病気やケガが発生した際の保障がないため、収入が途絶えた場合でも、団信からの給付が受けられず、住宅ローンの返済を続けなければなりません。
■3大疾病保障付団信
所定の「3大疾病」に罹患した際に、保険金が支払われる制度です。
「3大疾病」とは次の疾病を指します。
・がん
・急性心筋こうそく
・脳卒中
上記の3大疾病と診断されると、住宅ローン残高の全額または一部が免除される場合があります。
保険によって疾病ごとの保障内容が異なるため、契約時には必ず確認が必要です。
メリット
罹患リスクの高い疾病になった場合の手厚い保障です。
この保障により、罹患者は住宅ローン返済の心配をせず、治療に専念できます。
これは罹患者だけでなく、その家族にとっても大きな安心材料となります。
デメリット
追加の特約保険料が必要となることです。
この特約保険料は通常、金利に年0.2%~年0.3%程度上乗せされることが多く、結果として月々の返済額が増加する点が挙げられます。
■8大疾病保障付団信
通常の団信保障に八大疾病保障が付いた団信です。
三大疾病である「がん」「心疾患」「脳血管疾患」に加えて、「高血圧疾患」「糖尿病」「腎疾患」「肝疾患」「慢性膵炎」の重度慢性疾患を患い、就業不能状態となった場合に保険金が支払われます。
■がん保障付団信
通常の団信の保障にがん保障が付いた団信です。
所定のがんを患い、医師によって診断確定された際に保険金が支払われます。
ただし、保障が開始される以前にがんと診断されていた場合や、保障開始日を含めて90日以内に診断確定された特定のがんの場合、対象外となる点には注意しましょう。
メリット
3大疾病保障付団信や8大疾病保障付団信と比較して、特約保険料が安いことです。
保障対象の疾患が「がん」のみであるため、保険料は通常、金利に年0.1%~年0.2%程度上乗せと比較的低く設定されています。
デメリット
保障対象が「がん」に限定されているため、がん以外の疾患で収入が途絶えた場合の保障を受けられない点が挙げられます。
■全疾病保障付団信
がんを含むすべての病気やケガが影響で、就業不能な状態が続く場合に保険金が支払われます。ただし、精神障害は該当しません。
メリット
多くの疾患や状況に対する広範な保障があることが挙げられます。
これにより、様々なリスクにそなえることができ、安心して住宅ローンの返済を続けることが可能です。
デメリット
その保障範囲の広さゆえの高い保険料です。
金利に対して追加される特約保険料が、ほかの団信と比べても高くなることが多いため、返済額も相対的に増加します。
■ワイド団信
ワイド団信(「引受緩和団信」などと呼ばれる場合もあります)は、一般団信に比べて引受条件が緩和されたタイプの団信です。
一般団信では、持病や病歴があると加入できないケースもあり、引受条件が制限されますが、ワイド団信は一般団信に比べると条件が緩和されています。
メリット
持病がある人でも団信への加入が可能となる場合がある点です。
住宅ローンの契約時に団信の加入は多くの場合必須とされており、持病があると団信加入のハードルが上がるため、住宅ローンの契約そのものが難しくなります。
ワイド団信を利用すれば、これらの障壁を乗り越えてマイホームを手に入れられる可能性があります。
デメリット
ワイド団信の特約保険料が高めに設定されている点が挙げられます。
具体的には、金利が年0.2%~年0.3%程度高くなることが一般的で、それにより月々の返済額が増加します。
さまざまな団信がありますが住宅ローンの借入れを申込む金融機関によって取り扱いされている商品が違いますので申込予定の金融機関に問い合わせ頂き自分達に合った団信を見つけて頂きたいです。
保険金が支払われやすい条件になっているか
団信の保険金の支払い条件は金融機関ごとに異なるため、支払いのハードルが比較的低いかどうかをチェックする必要があります。
たとえば、ケガによる就業不能状態が一定期間続くことが条件となっている特約でも、金融機関によっては一定期間が30日であったり60日であったりと条件はさまざまです。
なるべく複数の商品を比較し、自分にとって有利な条件のものを選ぶようにして下さい。
また、必ず保険が適用されるとは限りませんのでその場合の対応も考えておく必要があります。
リニュアル仲介、渡辺でした。