自宅マンションの売却、手続きや注意すべきポイントについて
都市部を中心に住宅価格が上昇するなか、自宅マンションの売却を考える人が増えています。在宅勤務の普及や子育てなどライフステージの変化を踏まえ、住まいを買い替えたいという現役世代も多いようです。そこで売却時の手続きや注意点について把握しておく事は重要となる為、その解説を行いたいと思います。
■買い替えが増えている背景について
結婚時は共働きで2LDKからスタートをして、子供が生まれ、次は3LDKの不動産に買い替えたいという方は多いのではないでしょうか?しかし、最近では不動産広告を見ると、近所の不動産価格が上昇している為、悩まれる方も増えているようです。
リクルートのSUUMOリサーチセンターが2022年12月に首都圏で実施した調査によると、居住用不動産などの売却を検討している人は18%と20年比で約6ポイント増加したようです。動機は「住まいの買い替え」が最多の61%を占め、特に20~40代でこの割合が高かったようです。背景にあるのが中古価格の高騰とあり、東京カンテイ(東京・品川)がまとめた東京23区の中古マンション価格(70平方メートル換算)は、2024年7月に7,386万円と新型コロナウイルス禍前の2019年6月と比べ3割以上上昇しています。不動産が高く売れるうちに『利益』を確定し、買い替えの原資にしたいという現役世代は多いようです。
■不動産売却で重要な「相場感」とは?!
自宅売却の第一歩といえるのが相場を把握することです。住んでいるマンション、あるいは近所の中古物件の成約価格を調べていただきたいと思います。弊社では「AIマンション査定」というWEBサービスを提供している為、マンション相場を把握したい方は下記より判定をしていただきたいと思います。
https://self-in.com/rchukai2/ai (AIマンション査定)
「AIマンション査定」とは個人情報を開示することなく、マンション名を入力するだけで、「収益還元法」及び「取引事例比較法」を用いて瞬時に自動査定し、建築年・総戸数・管理会社・学校区など、マンションの基礎情報を見ることができるWEBシステムです。
最寄り駅までの距離や築年数が近い事例から相場は判断する事が出来ますが、成約事例は不動産会社に問い合わせれば教えてくれます。相場を把握する為には短期間に変動するため、少なくとも直近3カ月以内の成約事例を参考にしてほしいと思います。
■売却活動をする際に「高値」を付けた業者だけに任せるのは危険です!
売却を具体的に考えるなら、不動産仲介業者に査定を依頼する必要があります。不動産情報サイトなどから複数の業者に依頼するのが一般的となりますが、本音を申し上げると、相場で売却活動をすることが重要となります。売却活動をする際には不動産会社との媒介契約を結ぶ必要がありますが、高値を付けた業者を選択してしまうと、売却に時間が掛かったりするケースが非常に多くあります。担当者が販売エリアに詳しいか、売却戦略が明確かといった点にも注意すべきポイントです。
仲介業者はサイトに物件情報を掲載するなど購入希望者を募るほか、希望者の内覧の調整なども行います。購入希望者から値下げを要望されることもあり、仲介業者を通じて買い手と価格などを交渉し、納得できれば売買契約を結ぶ流れとなります。
売値を決める前によく確認しておきたいのが売却後に手元に残る金額です。まず、売却時には仲介手数料がかかり、不動産の売買額が400万円超の場合、「売却価格×3%+6万円」に消費税を加算した額が法律の上限となります。
売却で得た利益には税金もかかり、大まかに売却収入から取得費と譲渡費用を差し引いた譲渡益が課税対象となります。取得費は住宅の購入代金など住宅取得にかかった費用、譲渡費用は仲介手数料などとなります。所有期間によって税率は異なり、売却した年の1月1日を基準に、5年以内なら39.63%、5年超だと20.315%が基本となります。
税負担は優遇制度により大きく変わりますが、例えば譲渡益が3000万円以内なら特別控除により税額は発生しません。さらに所有期間が10年超といった条件を満たせば、譲渡益6000万円以下の部分の税率が14.21%に軽減される特例もあります。
所有期間が10年超の住宅を売却して、より高額な住まいに買い替える場合にも特例があります。この特例を使うと、マイホームの譲渡益にかかる税金を、買い替え先の住宅の売却時まで繰り延べられる。売却額が1億円以下などの条件となり、特別控除・軽減税率とは併用できません。どの税制優遇を使うと有利かは状況により異なりますが、旧居の売却価格が新居の購入価格を上回る場合は特別控除・軽減税率を活用するのが一案となります。
売却後の住まいについても検討しておきましょう。自宅周辺の相場が大きく上がっているからといって、売却が得策とは限りません。買い替えを希望する地域の物件価格も同じように上昇しているケースが多く、新居がすぐに見つからないと仮住まいの費用が膨らむといったことも考えられます。
今の住まいの住宅ローンが残っていれば、その返済や新居向けの借り入れなど資金計画は複雑となり、買い替えによる教育費や老後資金など家計への影響も発生する為、計画を再構築する必要が出てきます。
ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。
法人営業部 犬木 裕