阪神淡路大震災以後の木造住宅の改正

今年の元旦、能登半島地震の被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
微力ながら私にできることでご支援させて頂きたいと思います。
今回の震災でも建物の倒壊による被害がおおく見られました。
自然の力は大きくいかに身を守るかが課題となります。

1995年阪神淡路大震災時、倒壊した木造住宅の4割は築50年以上でした。
1981年の新耐震基準以降に建てられた住宅での倒壊は2%未満でした。
建築基準法は、耐震基準をはじめ建物を建てる時の最低限の決まりを定めている法律です。
宮城県沖地震(1978年)を経て1981年6月に大きな改正があり、それ以降の耐震基準を「新耐震基準」と呼ぶようになりました。
その後も改正は行われ、阪神淡路大震災(1995年)を経た2000年、新潟中越地震(2004年)を経て2005年にも改正されています。

1981年には新耐震基準が施行され、耐力壁の量、耐力壁の倍率などが見直され、耐震性が大きく向上しました。
新耐震基準というのは、「数十年に一度程度発生する震度5程度の地震」に対して構造躯体に損傷を生じず、数百年に一度程度発生する震度6強~7程度の地震に対しては倒壊・崩壊しない程度の基準です。
新耐震基準の住宅なら、大地震発生時でも家の倒壊・崩壊は免れ、家の中にいる人の命は守られる程度の耐震性を備えていることになります。

また、2000年の改正も耐震性に大きく影響を与える内容が施行され、それまで設計者の裁量に任されていた仕様が具体的に明記されました。
まず、基礎の仕様が明記されたために、事前に地盤調査を行い、地耐力に見合った基礎形状にしなくてはならなくなりました。
また、地震時に柱の足元や頭部分が基礎や梁から引き抜かれてしまう現象を防止するためにに、使用する止め金物の種類などが具体的に明記されました。
さらに、耐力壁を確保し、壁をバランスよく配置することが必須になりました。

これらの改正に照らしてみると、新耐震基準以前の木造戸建て住宅では、特に耐力壁の量、柱・筋交い等の接合状況、基礎の仕様において耐震性が低い可能性があります。
また、2000年以前の住宅では、耐力壁の配置、柱や筋交いの接合部、基礎などに弱点がある可能性があります。

2000年の改正で具体的に明記され仕様

・ホールダウン金物

ホールダウン金物とは地震の揺れが起こった際に、柱が土台から抜けない様にする金物です。
震災時、ホールダウン金物を取付しているか否かで柱のほぞ抜けが起こり倒壊に至るケースが多くみられました。
この様な事例から震災後、現在に至るまでホールダウン金物は勿論引き抜きの力に対する金物による補強は当たり前になりました。

・事前に地盤調査

地盤調査や地盤調査の結果に基づいた補強を施すのが当たり前になっています。

・外壁面材

震災以前の殆どの木造住宅の構造は 柱、梁、筋交いで成り立っていました。
ところが震災で建物が揺れた時に筋交いが外れてしまうと柱の点で支えているだけになりますので
揺れに対して、全く抗う事ができません。
そこで震災以後増えたのが柱の外側に(外壁材の下地に)合板を貼る施工方法です。
柱の点で支えるだけでなく面で支えることで格段に強度が増します。

その他、最近の新築住宅では地震に対して制震ダンパーや免振装置など工夫されています。

中古住宅をお探しの際にはインスペクションを受けて耐震に備えた補強をして安心して住めるお住まい探しをして頂ければと思います。
以前の我が家は柱と梁のみ耐震壁などはなくとても不安でしたが今は安心して住むことができます。
弊社では、エージェントがお客様のご希望に合ったお住まい探しをお手伝いしております。
お電話やzoomを使ったご相談も行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

リニュアル仲介、渡辺でした。

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