中古住宅購入時にはドローンを活用したインスペクションを実施すべき?!
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最近、中古住宅を購入し、リフォームを行う方が増えており、その際には『インスペクション(建物調査)』は欠かせないものと考えております。
昨年には改正宅建業法の施行により、インスペクションのあっせんについての義務化となり、業界的にはそろそろ本格的にインスペクションの重要性について議論されてくるものと存じます。
また少しずつではありますが、ドローンを活用したインスペクションの話題が増えてきましたので、改めて、ドローンを活用したインスペクションについて解説したいと思います。
ドローンは、遠隔操作や自動制御で飛行することが出来る無人飛行機の総称です。
このドローンをどのように中古住宅購入時に活用するべきなのでしょうか?!
■中古住宅購入時はドローンを活用して屋根インスペクションを実施すべき!
ドローンを活用するメリットは何と言っても、足場を掛けなければ調査が出来ない高所作業を簡単にクリアできるという点だと思います。人が近づけない高所作業をドローンに任せる事によって、中古住宅購入時の不安を払拭する事が出来ます。
また屋根に上ってみて初めて分かる事として、屋根の向きや方位によって劣化のスピードが異なり、劣化や変色状況をドローンのカメラ撮影によって、明確に判断できます。
通常は双眼鏡による目視調査を行っている方もいますが、ドローンを活用する事でその差は歴然となります。
※周辺が住宅地に密集している地域では、全体の調査は難しい場合もございます。
■中古住宅購入時にドローンを活用するメリットについて
※検査報告書に写真や動画を添付する事が可能になる
双眼鏡での調査とは違い、ドローンを活用すると詳細な写真や動画撮影が可能となります。そのような資料を添付する事が出来る事で、中古住宅購入時のインスペクションの結果報告書の信頼性を向上させることが可能となります。また、中古住宅購入者の不安を払拭する事につながり、安心感を与える結果となります。
※足場を組むことなく、短時間で調査が可能となる
本来であれば、屋根の調査を行う際、足場を掛けたりする必要があります(状況にもよります)。またそのような場合は準備や片付けに時間が掛かってしまうものです。また、購入を前提とはいえ、中古住宅購入前の調査にこのような大掛かりな調査に協力してくれる売主様は居ません。その為、ドローンを飛ばす事が可能な住宅であれば、その問題は一瞬で解決できます。
■中古住宅購入時にドローンを飛ばす(インスペクション)為の注意点について
中古住宅購入時のドローンを使ってのインスペクションを実施する為には下記の注意点に配慮が必要です。
※天候によっては延期が必要となる
ドローンは電化製品でありますので、雨が降るような天候では飛ばす事が難しいです。また、ゲリラ豪雨が発生しやすい時期や台風の季節は調査(インスペクション)の延期も発生する場合がございます。中古住宅購入時の売主様や買主様にはその調整が必要となる時期がございます。
※騒音を気にされるような方が存在する・狭い場所でのドローン飛行は難しい
ドローンを飛ばす際には近隣住人に許可を取る必要がございます。その際には、ドローンの機械音を気にされる方や住戸が密集しているエリアでドローンを飛ばせるような空間の確保が難しく、最悪の場合ドローンが近隣の家屋にぶつかり、近隣住人に迷惑をかけてしまうケースも発生します。その際には調査(インスペクション)をすることは困難なケースとなります。
※ドローンを活用したインスペクションはまだオプション調査の範囲
中古住宅購入時にドローンを活用したインスペクションはスタンダードになっていない為、一般的には目視できる範囲・非破壊の調査となります。その為、ドローンを活用したインスペクションはオプションとなっているケースが多く存在します。少しずつではありますが、ドローンを所有するインスペクターも増えていますので、持っている方がいるようでしたら、ぜひ、中古住宅購入時には依頼をだしていただけると良いかもしれません。
ぜひ、中古住宅購入時の不安を払拭するために、ドローンを活用したインスペクションをご検討下さい。
この後の文面については少しお時間のある方にお読みいただきたいと思います。
下記にドローンについての細かい内容を記載していますので、もしよろしければご覧下さい。
■ドローンは、遠隔操作や自動制御で飛行することが出来る無人飛行機の総称です。
ちなみにドローンの安全に対するガイドラインというものも出されていますので、ドローンを活用したインスペクションを行っていこうと思われる事業者の方は下記サイトをご確認いただく事をおすすめ致します。
http://www.mlit.go.jp/common/001202589.pdf
■航空法の対象となる「無人航空機」について
飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるものという定義がございます。
(例) ドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター
※200g未満の重量(機体本体の重量とバッテリーの重量の合計)のものを除きます。
■人家の密集地域でのドローンを活用してのインスペクションの難しさ
その上空で無人航空機を飛行させることが原則禁止されている人家の密集地域とは、具体的には、国勢調査の結果による人口集中地区(DID)となります。人口集中地区の詳細については「人口集中地区全国図」をご参考にしていただければ幸いです。
http://www.stat.go.jp/data/chiri/map/c_koku/kyokaizu/index.htm
■ドローンを飛ばす(インスペクション)際の許可・承認の申請について
航空法に定める「飛行禁止空域」における飛行、「飛行の方法」によらない飛行を行おうとする場合、飛行開始予定日の少なくとも10日(土日祝日等を除く。)までに、国土交通省へ申請が必要なようです。申請に不備があった場合には、審査に時間を要する場合もあるため、期間に相当の余裕をもって申請する必要があるようです。手続きについては下記サイトを参照ください。
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html
■ドローンを飛ばす(インスペクション)為の申請書について
国土交通省 航空局HPに掲載している「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領」及び「記載例」等をご参考に、申請書に必要事項を記載の上、関係書類とともに提出していただく必要があるようです。
(記載事項の例)
・ 飛行の目的、日時、経路、理由
・ 無人航空機の製造者、名称、重量
・ 無人航空機の機能及び性能
・ 飛行経歴、飛行に必要な知識及び能力に関する事項
・ 安全確保体制
原則として、郵送、持参又はオンライン申請が可能なようです。
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr10_000042.html
また、今回の情報更新に際して、下記のような「無人航空機の飛行にかかる法令遵守」の徹底についても注意喚起されました。参考までに下記内容も把握しておく必要があるようです。
「国土交通省航空局は、平成27年12月より、改正航空法に基づき、空港等の周辺や人口集中地区などの上空の空域を原則として飛行禁止とするなど、有人機並びに地上の人及び物件の安全を確保するため、無人航空機を飛行させる空域及び飛行の方法等について基本的なルールを定めています。しかしながら、10月5日、大阪国際空港において、誘導路上空で無人航空機らしき物体が飛行している旨地上走行中の航空機から管制官に通報があり、同通報を聴取した着陸進入中の航空機が自主的に着陸復行を実施する事案が発生しました。
本件について、航空機運航者からの報告によると当該飛行物体と航空機との接近等の危険性はなかったとのことですが、当該飛行物体が無人航空機であった場合には、航空法第132条に抵触する可能性があり、航空機の航行の安全に支障を及ぼしかねない行為でありました。
無人航空機を飛行させる者にあっては、無人航空機の飛行に関し法令遵守及び安全確保の徹底について万全を期すよう、傘下会員、関係団体等に周知徹底をお願いします。」
いずれにせよ、新たな仕組みがスタートする際には、各方面への配慮等が必要になる為、ドローンを活用したインスペクションの普及に際して、これからも最新情報に注意を払っていく必要がありそうです。
今後の参考にお役立て下さい!
法人営業部 犬木 裕