住宅性能表示制度について

住宅性能表示制度は良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するためにつくられた「住宅品質確保の促進等に関する法律」に基づく制度です。
国土交通大臣に登録された第三者機関が評価を行い、その結果を住宅性能評価書として交付しています。

新築住宅の評価書には、設計段階の評価をまとめた「設計住宅性能評価書」を施工段階と完成段階の現場検査を経た「建設住宅性能評価書」の2種類があります。
この住宅性能評価書やその写しを新築住宅の請負契約書や売買契約書などに添付すると、評価書の記載内容を契約したものとみなされます。
また、住宅性能評価を受けた住宅については、地震保険料の優遇や住宅ローンの金利優遇などが受けられます。

既存住宅の場合は、設計住宅性能評価書はなく、建設住宅性能評価書(既存住宅用)の評価書のみとなります。
既存住宅の売買にこの制度を利用する場合には、評価書の内容を契約内容とする旨の合意が必要となります。

なお、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、万が一その住宅でトラブルが発生した場合でも、国土交通大臣は指定する指定住宅紛争処理機関(弁護士会)に紛争処理を申請することができます。

日本住宅性能表示基準には、新築住宅の場合、10分野33項目があり、このうち、4分野9項目が必須項目となります。
具体的には、構造の安定、火災時の安全、劣化の軽減、維持管理・更新への配慮、温熱環境・エネルギー消費量、空気環境、光・視環境、音環境、高齢者への配慮、防犯に関する項目があり、住宅の外見や簡単な間取り図からでは判断しにくい項目が優先的に採用されています。

なお、高い等級を実現するにはそれなりの費用も必要となるため、どの性能を重視するかを検討する必要があります。
ちなみに、最低等級である等級1は建築基準法程度の性能として設定されています。

一方、中古住宅の場合には、特定現況検査と新築住宅の個別性能表示事項のうち9分野28項目に加え、既存住宅のみを対象とした2項目が評価対象となります。

性能評価書とはどういった書類なのかを事前に調べておくと、何に使える書類かという事がわかると思います。
住宅購入の際の情報としてお使いください。
リニュアル仲介、前田でした。

関連記事一覧