建物状況調査に関する少し深い情報 その2

建物状況調査シリーズです。

建物状況調査(インスペクション)とはそもそも何なのでしょうか?
意外と経緯が紆余曲折で、ややこしいのですが、語弊を恐れず端的に言うと単なる「建物の状態を明らかにする調査」です。

建物状況調査技術者に登録している建築士が調査を行うのですが、調査の内容は劣化の調査であり、耐震性や省エネ性などは建物状況調査(インスペクション)の範囲ではありません。

非破壊目視検査で、見えた部分だけを判断する、という調査でもあります。

例えば調査で雨漏れが見つかったとします。雨漏れがありました、と報告するのが建物状況調査(インスペクション)の範囲で、その雨漏れの原因追及や改修方法の模索、改修費用の算定は建物状況調査(インスペクション)の範囲外となります。

改正宅建業法で、重要事項説明時に建物状況調査(インスペクション)報告書がある場合はその内容について買主は説明を受けることができるのですが、説明される内容は、「雨漏れがありました」などの劣化事象の報告であって、どのように補修する、どれくらい費用がかかるなどの対策については、別で検討する必要があります。

先日も記事にしたのですが、重要事項説明と不動産売買契約は同日に行われることが一般的なので、契約日に建物状況調査(インスペクション)の結果を初めて聞かされたのでは、その日に契約締結することは難しいですね。

どうすれば良いのでしょうか。

買主側でできることは、物件が確定したら速やかにインスペクションを手配することです。この時に物件購入にあたってリフォームを検討している場合は、リフォーム事業者を通じて検査員を手配した方が良いです。

もし売主が売却にあたってインスペクションを実施している場合は、物件検討段階で確認しましょう。こちらもリフォームの予定がある場合は、リフォーム事業者にも見てもらった方が良いです。

中古住宅購入時にはインスペクションは不可欠である、と決めてしまって、取引の中でスムーズにインスペクションを実施できるよう、仲介会社とよく相談することをお勧めします。

インスペクションの相談を行って、「やっても無駄ですよ」みたいな反応の仲介会社とは付き合わない方が賢明です。

リニュアル仲介の稲瀬でした。

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