フラット35、ついに3%超え 〜金利上昇時代に不動産購入を急ぐべき理由〜

2026年6月、住宅金融支援機構は長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の6月適用金利を発表しました。
借入期間21年以上・融資率9割以下の場合の最低金利は3.21%となり、2017年の現行制度移行後、初めて3%の大台を突破しました。
わずか2カ月前の4月には2.39%だったことを思えば、その上昇ペースは驚異的な金利となります。
長期金利の急上昇とインフレが続く今、住宅購入の判断を先送りにすることは、大きなリスクをはらんでいます。
今回は、フラット35の仕組みを解説したうえで、「なぜ今こそ不動産購入を急ぐべきか」を詳しく論じる。

■今更ではありますが、フラット35とは何か?!

フラット35(正式名称:住宅金融支援機構提携住宅ローン)は、住宅金融支援機構が民間金融機関と連携して提供する、全期間固定金利型の公的住宅ローンです。
最長35年間、借り入れ当初から最終返済まで金利が変わらないため、毎月の返済額が一定に保たれるという特徴を持っています。
変動金利型のローンと異なり、将来の金利上昇リスクを借り手が負わなくて済むため、長期的な家計設計がしやすいという点で多くの利用者から支持されてきました。
特に子育て世代や、将来の収入変動が読みにくい自営業者・フリーランスの方々に向いているとされています。
金利水準は毎月1日に発表され、その月の申込金利として適用されます。
借入期間・融資率(購入価格に対するローン借入額の割合)によって金利が異なり、原則として「借入期間が長いほど・融資率が高いほど金利も高くなる」設計となっています。
また、実際の適用金利は取り扱い金融機関ごとに若干異なるため、複数の銀行・住宅ローン専門機関で比較検討することが大切です。

■フラット35の金利は3カ月連続で上がり、ついに3%超えへ

今回の金利発表で最も衝撃的だったのは、そのスピードです。直近の推移を振り返ると次のようになります。
・2026年4月:2.39%
・2026年5月:2.71% (前月比 +0.32%)
・2026年6月:3.21% (前月比 +0.50%)
わずか2カ月で0.82ポイントという急騰であり、特に5月から6月にかけての+0.50ポイントは現行制度移行後で最大の月間上昇幅を記録しました。
融資率9割超のケースでは最低金利が3.32%、借入期間の長いフラット50(36〜50年)では最低3.38%にまで達しています。
背景にあるのは、長期金利(10年物国債利回り)の急上昇です。
中東情勢の不確実性、原油価格の高騰、そして日銀の利上げ観測が重なり、国内外の投資家が日本国債を売る動きが強まっています。
大手5行が提供する10年固定型住宅ローンの平均優遇金利も6月時点で3.556%に達しており、上昇は11カ月連続となっている。フラット35の3%超えは、こうした市場の急変動を如実に映し出した結果です。

■インフレと不動産の相関関係、今すぐ購入すべき根本的な理由

・不動産はインフレに最も強い資産のひとつ

インフレとは、物価全般が持続的に上昇する現象である。現金の価値が目減りする一方で、土地や建物などの実物資産はインフレと連動して価値を保つ、あるいは上昇するという性質を持っています。
歴史的に見ても、高インフレ局面では不動産価格が上昇することが多いです。現在の日本でも、建材費や人件費の高騰を背景に、新築住宅の建築コストは年々上がり続けています。
都心部を中心に中古マンション価格も高止まりが続いており、「待てば安くなる」という期待はもはや通用しにくい状況です。インフレ局面では、購入を先送りにするほど不動産の取得コストが上がっていく可能性が高いです。

・金利が上がり続ける前に固定金利で「ロック」する?!

フラット35の最大のメリットは「全期間固定」という点にあります。
今この瞬間に3.21%でローンを組めば、35年間ずっとその金利が適用されます。
仮に今後フラット35の金利がさらに上昇して4%や5%になったとしても、すでに借り入れた人の金利は変わりません。
「3.21%は高い」と感じる方もいると思います。
確かに、2020〜2021年頃の最低水準(1%台前半)と比べれば大幅に高いと思われます。
しかし視点を変えれば、今後の金利上昇リスクをシャットアウトして「現在の金利で確定できる最後のチャンス」が近づいているとも言えます。
金利が上昇し続けているこの局面において、固定金利でのローン実行を先延ばしにするリスクは非常に大きいと言えます。

・賃料もインフレで上昇する!借りるより買う方が有利になる!

インフレ局面では、不動産価格だけでなく賃料も上昇します。
今後も物価上昇が続くと予想されるなかで、賃貸住宅の家賃は上がる一方です。
一方、住宅ローンは借り入れ時の金額と金利で固定される(固定金利の場合)ため、インフレが進めば実質的な返済負担は軽くなっていきます。
つまり、今購入すれば「固定の返済額」で住み続けられるが、賃貸を続ければ「上がり続ける家賃」を払い続けることになります。

・インフレ下では現金の価値が目減りするのをご存知ですか?

「頭金をもっと貯めてから買う」という判断は、デフレ時代には有効でした。
しかしインフレ局面では、銀行口座に眠らせている現金の実質価値は毎年目減りしていきます。
物価が年3%上昇するなら、5年後の1000万円の現金の実質的な購買力は約860万円程度に低下する計算になります。
不動産という実物資産に換えることは、現金をインフレから守る合理的な手段のひとつです。
「待つリスク」を具体的に試算する
たとえば、3000万円の物件を購入するケースで試算してみたいと思います。

〇今すぐ購入(金利3.21%・35年返済)の場合

月々の返済額:約11万6千円 / 総返済額:約4,872万円

〇1年後に購入(仮に金利3.8%・物件価格3100万円に上昇)の場合

月々の返済額:約13万2千円 / 総返済額:約5,544万円

1年の「待ち」で、月々約1万6千円、総額で約672万円もの差が生まれる計算になります。
もちろんこれはひとつのシナリオに過ぎませんが、金利と物件価格が同時に上昇する局面においては、「待つ」ことの代償が非常に大きくなりうることが分かります。

■不動産の購入前に確認しておきたいポイント

「では今すぐ買えばよいのか」というと、もちろん状況次第です。
焦りから無理な購入に踏み切ることは避けなければならなりません。以下の点を冷静に確認しておきたいポイントです。

【返済負担率の確認】

一般的に、住宅ローンの毎月返済額が手取り月収の25〜30%以内に収まることが望ましいとされます。
金利が上昇した現在、無理のない借入額をあらためて見直すことが重要です。

【諸費用・頭金の準備】

住宅購入には物件価格の5〜10%程度の諸費用(登記費用、仲介手数料、火災保険料など)がかかります。
手元資金のうち一定額は緊急予備費として確保したうえで、頭金と諸費用を準備しておくことが大切です。

【住宅ローン減税の活用】

2026年度税制改正により住宅ローン減税が拡充されており、特に中古住宅の取得においても一定の減税措置が受けやすくなっています。
税制メリットも含めた総合的なコスト試算を行うことで、購入の判断精度が高まります。

【固定金利vs変動金利の選択】

変動金利は現時点ではまだ低水準を維持しているケースも多い。
ただし、日銀の追加利上げが続けば変動金利も上昇する可能性があります。
将来の金利リスクを回避したいなら固定金利(フラット35)、当面の返済額を抑えたいなら変動金利を選ぶという考え方が基本だが、自身のリスク許容度に応じて慎重に検討することが重要です。

■最後に、インフレ時代に「待つ」ことのコストを考慮する?!

フラット35の金利が3%を超えたことは、日本の住宅ローン市場における一つの歴史的転換点です。
低金利時代は事実上終わりを告げ、私たちは「金利のある世界」で住宅購入の意思決定をしなければならない時代に突入しました。
インフレ局面における不動産の本質は「価値を保つ実物資産」であります。
物価が上がり、賃料が上がり、建築コストが上がるなかで、固定された金利でローンを組み、住宅を取得することは、インフレリスクのヘッジとして非常に有効な手段となり得ます。
「もう少し待てば金利が下がるかもしれない」という期待は理解できますが、市場の見通しはいつも不確実であり、その間にも不動産価格と金利は上がり続けるリスクがあります。
待つことにもコストが掛かる事を理解し、この現実を直視したうえで、専門家に相談しながら、自分の状況に合った最善の判断を下してほしいです。
「買えるときに買う」が、インフレ時代における不動産購入の鉄則かもしれません。今後の参考にお役立てください。

法人営業部 犬木 裕

 

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