消費税増税に伴い住宅ローン減税の期間が延長される!?
今月上旬(2018年12月4日)、「政府・与党は住宅ローン減税が受けられる期間を3年延ばし、現行の10年から13年とする方向で最終調整に入った」と、日経新聞より発表がありました。
▼住宅ローン減税を受けられる期間が10年→13年になる可能性が!?
政府・与党は住宅ローン減税が受けられる期間を3年延ばし、現行の10年から13年とする方向で最終調整に入った。2019年10月の消費税率引き上げに伴う住宅の駆け込み需要や反動減を防ぎ、購入を支援する。購入から11年目以降の減税幅は建物価格の2%を3年間かけて所得税などから差し引く仕組みにする。
出典:日本経済新聞 電子版「住宅ローン減税3年延長 政府・与党が最終調整」より引用
「11年目以降の減税幅は建物価格の2%を3年間かけて所得税などから差し引く仕組みにする」とあるとおり、3,000万円の建物の場合だと、60万円の減税が追加で受けられることになります!住宅購入者にとっては、かなり助かります・・・。
▼では、増税後に購入した方がお得なのか?
消費税の増税幅である建物の2%相当額(土地は消費税非課税のため影響なし)が住宅ローン減税の拡大幅となりますので、一見影響はないようにも考えられます。
しかし、住宅ローン総額が増加した結果、金利負担も増加することとなります。当然、住宅ローン金利の増加は、住宅ローン減税が終了する13年目以降も総負担額に影響を与え続けます。
例えば上記のように3000万円の建物の場合では消費税増税による単純な負担増は60万円ですが、住宅購入時に60万円多く負担して、13年目に晴れてその60万円が手元に戻ってくるのです。
割引現在価値の考え方を用いると、現在の60万円と13年後の60万円では、明確に現在の60万円の方が高い価値があり、そういった観点では、「今」消費税負担を抑えることで得られる60万円(増税前の購入)を選択すべきとも考えられます。
したがって、一見住宅ローン減税の拡大により、消費税増税以上の負担増が相殺されているような構造ではあるものの、厳密に考えると、金利負担が増加すること及び消費税増税分の回収が13年かかることから、他の条件が同じである限り、消費税増税前に住宅を購入するのが経済的に合理的といえると思います。
ただし、報道はあくまでも「現行の10年から13年とする方向で最終調整に入った」と書かれているにすぎず、まだ確定ではありません。また、今回の期間延長は「2019年10月の消費税率引き上げに伴う住宅の駆け込み需要や反動減を防ぐ」ことが目的ですので、既に住宅ローン減税を受けている人は対象外の可能性が高いです。
適用開始時期は明確でないものの、消費税増税後の2019年10月1日もしくは2020年1月1日からの適用が予想されます。
まずは、公式な発表を待ち判断していきましょう。
以上、中田でした。