都市計画法の「景観法」とは?

住宅購入時に売買契約を売主様と買主様で交わされるのは通常ですが、その前に必ず行うのが要事項説明書に記載されている内容についての説明です。
重要事項説明書とは購入不動産について事細かく記載されており、面積や登記事項の内容、そして用途地域や都市計画法などの法律についても記載されております。
その中でも都市計画法とは法令がたくさんある中で当該住戸のエリアは何の規制があるのかも含めてご説明しております。

今回はその都市計画法の中の「景観法」についてのご説明です。
この法律は、良好な景観の形成を促進するために、行政団体が「景観計画」を策定できるようにすることを定めたものです。

重要事項説明で「景観法の制限あり」となっている場合には、取引する不動産がこの「景観計画区域」に含まれていることを意味します。

例えば、景観区域内において建物等の「新築・改築・移転・外観の模様替えや色彩変更」などをする場合には届出が必要になります。
届出の内容が景観計画と合わない場合には、変更するように勧告されてしまう点に注意が必要です。

ただ、この「良好な景観」と「景観利益」を巡っては色々な裁判が起こされています。

良好な景観(=美しい街並み)についての感覚は人それぞれですし、一方で、財産権(=個人の自由)の保護との兼ね合いもあります。

歴史のある武家屋敷にマンションを建築しようとしてストップがかかった例もあれば、閑静な住宅街に紅白の縞々模様・奇抜な工作物の建築が認められたケースもあります。

デザインに拘りがある方や、オリジナリティーのある建物を希望する方は、景観計画の定められていないエリアを選ぶと良いかもしれません。

他方、その街並みが気に入って不動産を購入する方は、景観計画があれば街並みが維持される可能性が高まるので良いですね。

ある程度のエリアではこの景観法の規制がされているところが多いですが、ご自身が購入される住宅のエリアで街並みを害するような建物が建築されてしまっては困ってしまいますので、こういった規制がある事を事前に確認しておくと良いと思います。

都市計画法はその他にも「都市緑地法」「文化財保護法」「航空法」など多数あり、それ以外でも市区町村などの条例が別で規制されている場合も多々あります。
その条例によってより良い街並みが保たれているので、該当するものがある時は重要事項説明時にしっかりと理解しておくと良いですね。
その際にはご不明な点は都度確認するようにしてください。

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