持ち家or賃貸の判断の目安について

家計の長期的なプランを考える際に住宅を購入(持ち家)するか、賃貸に住み続けるかで悩む人は多くいます。特に子どもが生まれて家族が増えると持ち家か賃貸かによって家計のやり繰りが大きな影響を受けますが、本来であれば、「貯蓄性があるかどうか」の視点で判断すれば持ち家の方が圧倒的なメリットがあるかと思います。その内容を踏まえ、持ち家と賃貸の特徴・子育て世帯が住宅を選ぶ際のポイントについて解説をしたいと思います。

■賃貸暮らしが長いと、購入に踏み切りにくいといった実態がある?!

賃貸暮らしをされている方で子育てを終えてから検討しようとすると購入に踏み切りにくいという実態があるようです。「家を買うのか、買わないのか決めきれない」と迷われる方の多くに、例えばご夫婦と子ども2人で、2LDKの賃貸アパートに10年以上住んでいるといった場合、子供のライフイベントである小学校、中学、高校、大学などのタイミングでしか購入の判断が出来ないといったケースが多くあります。

また、子どもの今後の進学先によっては引っ越しをする可能性があるほか、住宅価格の高騰で今の住まいと同じ程度の間取りでも多額の住宅ローンを組む必要があるためです。

■持ち家と賃貸の比較はあまり意味がない?!

購入と賃貸でそれぞれの費用総額はどうなるのかをシミュレーションしてみます。例えば、首都圏在住で子どもありの30歳代夫婦を前提に持ち家と賃貸で50年間にかかる費用を試算したところ、持ち家は概算で8310万円、賃貸は8235万円となった。差額は75万円にとどまったという結果だけで終わっているケースが多いのですが、持ち家はその不動産を売却した際に、どのくらいの費用が手残りとなるかをシミュレーションするとあっという的に持ち家が得となります。

住まいの自由度から判断すれば、賃貸の方が良いかなあと思える場合もあります。持ち家は5100万円の戸建てを購入し、そこに住み続ける、もしくは売却をして賃貸暮らしをするといった場合は賃貸と比較すると自由度に掛けます。しかし、賃貸は3LDKで家賃月15万円のマンションに30年間住み、子どもの独立を機に31年目から月10万円の物件に転居するといった事は持ち家よりも簡単に変更できます。

■更に持ち家と賃貸の比較を深めてみたいと思います!

一方、50年間の支出の推移をみると、持ち家と賃貸で違いが出てきます。持ち家は住宅を購入するとき自己資金(頭金)や購入に伴う諸費用の出費がかさみ、築年数を経ると60歳など高齢期に一定規模の修繕費が必要となります。賃貸は契約更新費で小幅な変動はあるものの、ほぼ定額の支出が続くということです。

費用以外の違いをみてみると、住宅の設備・仕様面では持ち家が賃貸に比べ充実していることが多いです。対面式キッチンで子どもを見守りながら家事ができたり、各部屋の収納スペースが広かったりします。暮らしやすさでは持ち家に優位性があります。

家族構成の変化は、持ち家は間取り変更といったリフォームで対応することができますが、賃貸は一般に自由にリフォームをすることは困難です。子どもが増えたときや子どもの独立で部屋が余ったときは、引っ越しで適切なサイズの物件を選ぶのが一案になります。

賃貸は働き方の変化に柔軟に対応できるのが強みとなります。転勤や転職で勤務場所が遠隔地に変わっても転居しやすく、負担は引っ越しの費用程度で済みます。一方、持ち家は売却などの手間やコストがかかります。良くFP(ファイナンシャルプランナー)の方で、賃貸寄りにメリットを語る方がいますが、不動産は「立地」により、資産価値が決まる為、良い立地の不動産購入が出来ていれば、自宅を保有する事の方が様々な面でメリットがある事が多いです。

もしこれから不動産購入を検討されようと思われている方で、不動産の資産価値の重要性を学びたい方は、弊社で13年以上開催している「家を買うなら知っておきたい情報セミナー」という無料セミナーにお申込み下さい。
https://rchukai.jp/form/c_semi/

子育て世帯にとって大きな出費となるのは教育費との兼ね合いです。子供の進学先によっては費用が膨らみかねなません。また、持ち家か賃貸かを選ぶときのポイントはご夫婦の働き方も重要となります。会社員なら転勤の可能性や頻度について大まかな見通しを立てたい。転勤が多い職場なら、賃貸にするのが一案となりますが、最悪、転勤になったら賃貸に貸し出し、家賃分で住宅ローンの返済を行う(入居者がローン分を支払ってくれるということ)という選択肢もあります。

遠隔地に転居する可能性が低く持ち家を選ぶ場合は、ローンの返済を続ける収入を確保できるかを検討する必要があります。現在、パワーカップルで都内の1億円を超える物件を購入する方が増えているようですが、もし共働きが出来なくなった場合は、生活環境を変えなければならない場合もある為、注意が必要です。また、転職や独立でどちらかの収入が大幅に減ると毎月の返済が厳しくなりかねません。

いずれにせよ、不動産を見る際に「貯蓄性があるかどうか」の視点で判断すれば持ち家の方が圧倒的にメリットを感じられる場合が多いです。

ぜひ、今後の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

関連記事一覧