住宅購入には投資家の目線が必要

多少都心から離れても…多少駅から遠くても…、かつて住宅の供給数が足りていなった時代(分譲団地の抽選なんかも頻繁に行われていました)都市部に家が買えない人々が郊外に家を求め、ベッドタウンが形成されました。

当時はバブル全盛期で、地価も金利も今よりずっと高く、一般的な収入では郊外にしか家が買えなかったと言われています。

この時の購買行動、つまり予算が合わない場合は、都市部から遠いエリアにする、駅から離れたエリアを許容する、という考え方は、これからの住宅購入において、非常に問題となりうるものだと思います。
多少駅から離れてもの「多少」は、そのままそっくり、将来住宅を資金化しなければならなくなった自分に跳ね返ってくるからです。

これからの住宅購入には投資家の目線が必要と言われます。
いつでも人に貸したり、売ったりできる住宅選びが大切で、自分が住むのではなく、人に貸すことを前提に進める、不動産投資の考え方を踏まえて、冷静に客観的に判断する視点も必要だということです。

投資家の目線と言われてもピンと来ないかもしれないので、面白い記事をご紹介します。

『にわか大家はつらいよ。限界アパート物語
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/15981

駅から遠くなるリスク、築年数のリスク、ファミリータイプのリスクなど、非常に読みやすくわかりやすい内容です。
もちろん個別要因もあるので、一概には言えませんし、これからの人口減家余りで、今の常識が覆される可能性もありますが、超が付くほどの高齢化社会で単身世帯が増え続けるのは確定ですし、政府が謳う移民政策が上手くいったとしても、郊外の空き家を活用しなければならないほどの人口流入は考えられません。
かつての家がないから郊外へ流れる事象は考えにくく、大災害でも起きない限り、首都圏や都市部と郊外の2極分化はますます進行するでしょう。

これから先の社会は人が減って、家が余る時代です。家を売りたい・貸したい人が余って、家を買いたい・借りたい人が貴重になる事態です。
人口が減るということは破綻する自治体(もしかすると大規模な合併策がまた行われるかもしれません)が出て、ゴミすらまともに捨てられない、そんな街も生まれてくるでしょう。
そんなちょっと暗い未来を想定した時に、他より安いからと言って、郊外の家をあえて選択する人がいるでしょうか。破綻した自治体を選択する人がどれほどいるのでしょうか。※北海道夕張市を調べるとご理解いただけると思います。

現在の常識で、いつでも貸せる・売れる家を選ばないと、将来大変なことになるというのはご理解いただけると思います。

売らずに住み続けるからいいよ、そんなお考えの方もいらっしゃるでしょう。
実際、バブル期に家を購入された方は、あまりに値段が低すぎて売る気を失ってしまう方もいらっしゃるようです。
ただ、この考えも将来的に通用しなくなりそうです。
100歳まで生きるとすると老後資金が足りなくなるという報道は記憶に新しいと思います。
後期高齢期を過ごすためには、住宅という資産を老後資金としてお金に換える必要が出てきます。
賃貸が得か購入が得か、みたいな議論は住宅業界では鉄板のネタですが、老後の資金問題を考えると、いつでも資金化できる住宅を購入するの一択です。
政府が試算した不足する老後資金は2000万とも言われます。
賃貸にお金を消費する余裕も、終の棲家といって自分にとって都合の良い家を買う余裕もありません。

どのような住宅を購入するか?
この考え方ひとつで、将来の選択肢に大きく影響します。
今こそ住宅購入には投資家の目線が必要です。
冷静で客観的な判断ができるよう、慎重に検討されることをお勧めします。

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