内見のコツ

インターネットで気に入った物件を見つけたら実際に物件を見に行きます。
多くの場合、不動産会社に手配をお願いして、売主と日程調整をしてもらい当日を迎えます。
そんなこんなでいざ当日。
ちょっと待ってください!まさか手ぶらで内見に行こうとしていませんか?
今回は内見のちょっとしたコツをご説明いたします。

■サイズ感の差を埋める

空室になっている物件の場合、内見に行っても家具などはほとんど撤去されています。
売主が居住中の物件でも、流石に購入希望者を迎えるに当たって大掃除をしているケースがほとんどです。
内見する物件には実際の生活感がない、というのがポイントの一つです。
初めて賃貸住宅を契約した時、契約時は広いなと思っていてもいざ引っ越しで家具などが入ると、思ったよりも狭いと感じた経験はございませんか?
サイズを厳密に扱うお仕事に携わっていないと、どうしてもイメージと実際の差が出てしまいます。
そこで役に立つのがメジャーです。内見時の必須アイテムと言っても良いでしょう。
職人さんが使うような5mくらいのしっかりしたものがお勧めです。

メジャーを用意したらもう一工夫です。
今のお住まいにあるテーブルやソファーなど大き目の家具のサイズを測ってメジャーに印をつけておきます。(冷蔵庫・洗濯機など大型家電のサイズも重要です)
※メモでもいいのですが、メジャーに目印となるテープを貼っておくだけでかなり便利です。

このように実際のサイズを意識して内見を行うと、徐々にサイズ感を掴むことができ、広告の図面だけである程度判断できるようになります。

■中古戸建てを見るときはスリッパを履かない

内見に行くとスリッパが用意されていることがほとんどです。
靴下の汚れが気になるかもしれませんが、中古戸建てを見る時はスリッパを履かないことがポイントです。
床の沈みは目視では判断できず、実際に踏んでみるのがわかりやすいからです。
特に水回りは念入りに踏んで確かめます。
※リフォーム会社や工務店さんもよくやる方法なのでお勧めです。

床の沈みを感じるところがあったら図面に印をつけておきます。
インスペクションを行う際に現場検査をする建築士に伝えれば詳細に調べてもらえるかもしれません。
床の沈みがあった家を購入する場合は、リフォームまでに床下を念入りに見てもらうことも忘れてはいけません。

多くの場合は単に乾燥で木が痩せていることが原因なのですが、木材の腐朽でも床の沈みが発生しますので、見落とすことができない重要なサインです。

あと、冬場に内見する際は床の冷たさも実感できるのでお勧めです。

売主が居住中の場合は、売主に一声かけないと嫌な顔をされるかもしれないので、担当する不動産会社から説明してもらうようにしましょう。

■色違いの付箋

付箋は内見時にも役立つアイテムです。
最近はスマートフォンの保存容量も大きくなっているので、内見時にたくさん写真を撮る方が多いと思います。
後から情報を整理するのに役立ちますし、いざ物件の購入が決まった際に家具の配置などを検討するのにも便利なので、たくさん写真を撮影することがお勧めです。
ただ、多くの方が何件も物件を見に行きます。(内見一件で決めてしまう方は稀です……)
家、特に室内はこれといって目立った特徴がない物件が多く、複数の物件を撮影すると、どの物件だったのかわからなくなるのです。
そこで色違いの付箋です。
工事現場のようにメモを一緒に撮影するのが一番ですが、かなり手間なので、色だけで区分します。
撮影したいところにピタッと貼って、その色が写るように撮影するだけです。
後からPCやスマートフォンで見直す時に物件が違うことだけは一目で判断できるようになります。

■周辺を歩く

全部の物件をそうするべきとは言えませんが、前向きに検討している物件の内見は、不動産会社に車で送ってもらうのではなく、最寄駅から歩いて行くことがお勧めです。
家から最寄り駅までの範囲は生活圏内となりますので、お店や街の雰囲気を確認することはもちろん、交通量が多く危ない道がないかなどもチェックできます。
また、内見の待ち合わせよりも少し早めに現地に到着するスケジュールにして、物件の周りをぶらっと見て回るのもお勧めです。
予め物件周辺のハザードマップを調べておいて、その情報を踏まえて周辺を散策するとより効果的です。
googleMAPなどで画像として付近を確認することができるのですが、高低差を実感することが難しく、また、匂いや音などgoogleMAPではわからない情報もあるので、気に入っている物件の内見は、周辺を散策する時間を含めてスケジュールすることをお勧めいたします。

■たくさんメモを取る

実際に物件を見て感じたことは重要な判断材料になります。
ただ、感じたことをメモしておかないと、せっかく気付いた重要情報を忘れてしまいます。
メモ用紙に箇条書きなど形式は何でも良いのですが、お勧めなのは図面に書き込むことです。
図面情報があるだけで後から見直したときにより鮮明に思い出すことができます。ぜひお試しください。
不動産会社が用意する販売図面はメモするための余白がない場合もありますので、メモのスペースがない時に備えて、黒色以外のペンを用意しておくと安心です。
バインダーがあった方が書きやすいので、担当者によっては対応してもらえないかもしれないのですが、メモを残したいので、余白をたくさん取った図面とバインダーの用意をお願いしておくと良いと思います。
※気の利いた担当者は言わなくても準備してくれます。
ただ、せっかくのメモも使わなければ意味がないので、最低でも「この物件を買おう!」と決断する前に必ずメモを見直してください。
(確認したいことや、調べてもらわないといけないことがたくさんあるはずです)

物件内見は不動産購入のプロセスの中でも「楽しい」作業です。
準備をすればするほど、例えその物件を買わないとしても実りの多い内見となります。
何件も内見をすると自然とコツが掴めて来ると思いますので、家を買おうと思ったら、何件か実際に見てみることをお勧めします。

 

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