車庫は容積率の対象面積になるのか?

前回、住宅の地下室については、一定の条件を満たしていれば、容積率の不算入にあたることをお話ししました。

今回は、「車庫の容積率不算入」についてお話しします。

建物に付属する車庫、駐車場施設などの床面積は、各階床面積の合計の5分の1を限度として、容積率算定上の延床面積から除外することができます。(車庫の容積率緩和を受けるためには、用途が自動車車庫であれば自動的に緩和されることになります。また自動二輪車、自転車置き場も容積率緩和の対象となります。)

車庫が20㎡、1階の車庫を除いた部分が40㎡、2階が40㎡だとすれば、その合計100㎡の5分の1は20㎡であり、車庫部分の床面積がまるまる除外されることになります。

合計床面積の5分の1を超える大きさの車庫については、超えた部分が容積率算定上の延床面積に加えられます。

(例)上記車庫が30㎡、1階の車庫を除いた部分が40㎡、2階が40㎡だとすれば、その合計110㎡の5分の1は22㎡であり、車庫部分の床面積22㎡は容積率算定対象床面積から除かれますが、8㎡は容積率算定対象床面積となります。

また、この車庫の緩和規定と前回の「地階の緩和規定」は併用することができます。

なお、これらの緩和規定はあくまでも容積率算定上のものであり、他の規定や制限における延床面積の計算では除外されませんから、混同がないように注意しなければなりません。

また、よく聞かれる質問ですが、

「簡易的なカーポートも車庫として容積率は緩和されるのか?」

→これは、車庫の容積率緩和には、用途の条件しかないため、構造・形式に関係なく緩和を受けることができます。よって、建物に組み込まれたビルトイン型の車庫、別棟の単独車庫、柱と屋根のみのカーポート形式のものなど、全て緩和の対象となります。

以上、中田でした。

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