不動産表示のルールが厳格になった事をご存知ですか?

■不動産表示が厳格になった事をご存知ですか?

駅までの所要時間や職場への通勤時間は不動産選びの重要な条件です。しかし、広告の表示より実際は時間がかかると感じることもあります。私の自宅も駅までの所要時間は大きな国道を渡る事の有無により、大きく変わります。その規約のルール改正が2022年9月にされましたので、本日はその内容を解説したいと思います。そもそも不動産の所要時間はどう決まるのかをご存知でしょうか?

そもそも不動産の所要時間は広告の適正化をめざす業界の自主規制団体、不動産公正取引協議会連合会が表示規約で定めています。この不動産公正取引協議会は全国9地区にあり、不動産会社の物件情報を調べ、表示が実際と違う場合は是正勧告をしたり、悪質な場合は違約金を科したりすることもあります。

■不動産広告表示における徒歩分数がより厳格に(2022年9月改正)

<最も遠い住戸の徒歩分数を表記>
旧 販売戸数が複数の場合、最も近い区画の表示でも良い
新 最も近い住戸だけでなく、最も遠い住戸の併記が求められる

<駅出口からマンション入り口の徒歩分数を表記>
旧 庭や駐車場などがあって敷地が大きい場合、駅から最も近い敷地までの徒歩分数
の表示
新 建物の出入り口を起点として徒歩分数を表示

わかりやすいリーフレットはこちら

■不動産表示の「徒歩1分=80m」は女性がローヒールで実測した際の距離?!

規約では駅など各種施設までの所要時間は80メートルを1分と計算し(起点および着点を明示して表示)、1分未満の端数は切り上げて表示する事になっています。直線距離ではなく道のりの距離だ。駅から物件まで800メートルあるとしたら、所要時間は10分となります。秒単位はなく、1メートルでも超えたら1分切り上げるというルールです。

なぜ、80メートルで1分なのかは、一説では規約を定める際、所管する公正取引委員会の女性委員がローヒールで実測したところ、80メートル歩くのに1分かかったとされています。その歩く時間が根拠の1つになったそうです。その為、男性が早歩きをすると、1分以内に歩けてしまう場合もあり、実際に歩いてみると1分も掛からないケースも出てきます。しかし、所要時間には横断歩道の信号待ちや踏切、上り坂によるロスなどは含まれない為、実際より時間が掛かるという事もあります。どうやら信号待ちの時間は道路の幅によって、また交差する道の数によっても時間が掛かる信号もありますので、ルール化しにくいといった事情が含まれます。

■不動産広告で表示される電車での移動時間について

広告で表示された所要時間より長いと感じられる理由はほかにもあります。起点となるのが駅の改札ではなく「出入口」という点です。大きなターミナル駅や地下に改札のある駅の場合、多くは地下道や階段などを通らなければならず、出入口から改札にたどり着くまでに時間がかかります。東京の地下鉄大江戸線のようなかなり深い場所を走る路線の場合は、思った以上に時間が掛かります。また、通勤時間に関しては、これまでは例えば「○○駅から大手町駅まで急行で○○分」と表示していました。途中で各停から急行に乗り継いだり、他路線に乗り換えたりする場合もルール化しにくいという理由でその時間を加えなくても良いというルールでした。朝は乗降客が多く通常より時間がかかる場合もありますが、極端に誤差がなければ昼間の通勤時間を表示していました。しかし、実態に即していないとの判断から、2022年9月から規約が改正されました。通勤時間を表示する場合は多少幅を持たせてもいいから乗り換え時間も明記するよう変更されました。時間は朝のラッシュ時を基本とし、それより短い昼間の通勤時間を併記してもいいようなルールとなります。

所要時間の定義も大きく変わり、これまでは駅から物件の敷地までの時間でしたが、建物の出入口までの時間になりました。大規模開発で一戸建てやマンションが多数立ち並ぶ場合、駅から近い物件と遠い物件とでは所要時間が異なります。改正後はそれをきめ細かく所要時間を表示しなければならなくなりました。

いずれにせよ、この表示ルールの改正により、建設中のマンションで当初、徒歩7分で売り出したものの、改正で表示が8分に変更された事例もあるようです。最近、不動産ポータルサイトにて家探しをする場合、1分以内、5分以内、7分以内、10分以内などと細かい区切りで検索をしながら家探しをします。最近では、7分以内で検索する人も増えていますので、そのような検索手段を取られると8分だと検索から漏れてしまうといったケースも発生します。勿論、この徒歩分数の表示が売却に影響を及ぼす可能性もあります。たかが1分、されど1分の表示の違いによる不動産価格は大きな価格差となります。

これから不動産購入をされる方は、この1分の表示の違いによって売却価格も変わってきます。ぜひ、このような視点も忘れずに不動産購入をご検討いただければ幸いです。いずれにせよ、このようなルール改正が行われた事を把握しておいて下さい。

今後の参考にお役立て下さい。

法人営業部 犬木 裕

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